"なるかわしんごの作業部屋"

なるかわしんご

子どものことやえほんのことについて、感じたり思ったことを書いています。

ほどく、紡ぐ

日誌みたいな感じで。
感覚的すぎて全然まとまらない気がしているけど(笑)

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3月のイベントで
今回は水彩の絵の具や、
色鉛筆とは違ったものを
素材として使う。

「糸」

先日繋がった方から糸くずをもらいました。

いろんな糸が絡まっていて
いろんな色が相まって
なんかいいなと。

人の気持ちや感情、非言語なものはきっと
こんな感じなのだろうと。

言葉にしたら一言で
言えてしまうことも

本当はそうじゃなかったり
流動的で
不安定で
曖昧さを帯びてると思う。
でもそれでいいと思う。


ぐちゃぐちゃのままでもいいなと思った。
それをもう糸くずが表現しているなって思った。

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思考と感情がぐちゃぐちゃになって
本当はどうしたらいいか分からなくなった時、

ほどいて、紡いでくれる人はきっといると思う。
あなたに変わって、あなたができなくても
誰かがきっと役割を担ってくれる。

素直になって、
自分と相手を信じて
曝けだせたら
きっと誰かが気づいてくれる。

息子が糸をほどいて、
仕分けをして色分けも全部している

姿を見てそんなことを感じた。

僕が違う糸を混ぜて仕分けると
「これはダメ、ほどいて。」と言う。
普段は雑な息子。

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「これはね光に当てると、白に見えるけど、
影に入れると、グレーだよ。ほら」

 

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僕はなんだかとっても感動したんだけど、
息子は糸屋さんを一生懸命している様子。

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糸じゃなくて、
これが人に対してだったり
心に対して丁寧にできたのなら
きっと自他共に誠実に接せるなと思った。

僕は過去のトラウマや痛みに
息子が生まれてから
やっと向き合えるようになった気がしていて、
一人では怖くて立ち向かえなかった。
ぐちゃぐちゃに覆いかぶさった気持ちを
きっと息子をきっかけに
みんながほどいて、
紡いでくれたんだと思う。

トラウマを持った人じゃなくても、
障害があって声に出せない人
言語が苦手な人(子どももそうだよね)
いろんな人がいると思う。

コミュニケーションや
相手と関係を作っていく際に、

一方的に受け手が分かりやすい世界で
言語(ツール)やスケールを使って
推し量ったり、決めつけてしまいがちだけど、
それだけでは補えない、汽水域と言うか
曖昧さというかグレーというか

「今どんな気持ちなんだろうか」
「悲しい」だとしたら

単純に1色じゃなくて、
ぐちゃぐちゃだったり
誰かと似てたり、ちょっと淡かったり
言葉にしたら少ないけど、

非言語に置き換えたら
無限にあると思う。

子どもと絵をかく時は
ほんとうに言葉に頼ってないというか
「感じる」を大事にしているといつも思う。

どっちにもいける橋渡しというか
そんな曖昧なところに、
どっちにもいけるように僕は立っていたいな。

大人にとっては都合がきっと悪いだろうけど、
僕はそういう生き方がしたいなと思う。

糸をほどいて、紡いでいく。

展示どんな感じになるかはまだ分からないけど。。。