"なるかわしんごの作業部屋"

なるかわしんご

子どものことやえほんのことについて、感じたり思ったことを書いています。

<メディア出演のお知らせ> 4/6 17:25〜メーテレ

先日取材を終えて、

16:55〜「ウドちゃんの旅してゴメン放送後」
17:25〜「癒しの存在」という番組に90秒出演します。

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メーテレ 17:25〜


場所はゴジカラ村にて
普段触れ合っている子どもたちと
絵を描いたり、

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取り組みや描いている絵について
取材してもらいました。


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うまく話せているか全然わかりませんが、
ご興味ある方はぜひご覧ください!


僕は明日のことを考えている。

2月中旬、新幹線で
東京から名古屋に帰る途中で
急にめまいや動悸が始まった。

「ああ、またか。」

と思いつつ、キャラメルを口に入れ、
お茶を少し飲みながら対処する。

脂汗がジワジワと出てくる。
呼吸に集中するが
どうしても脈が早くなっていく。


「赤ちゃんがお母さんから
出てくるときは
こんな感じなんだろうか。」

いろんなことを考えながら
なんとか持ちこたえた。
約90分の道のりは大変だった。

家に帰ったものの、
数日、体がずっと重かった。
いつでもそれがまた起こるような気がして。

しばらく電車に乗らないようにした。
今でも少しその残骸が
体のどこかにいる感じがしている。

22歳の時、自宅で倒れて
救急車で運ばれた経験がある。

それから何年かに数回
同じような症状が出る。

今回は早めに来ることがわかった。
そことだけは不思議と嬉しかった。
自分の声を聞けた感じがしたというか。

どうしようもない怒りや悲しみそれを反芻すると
涙の代わりとなって
身体が反応しているのではないかと思う。
何かを浄化させようと。

おそらく僕にとって過去を思い返し、
言葉にするのには、
想像以上にエネルギーを要するということなのだ。

過去の記憶と感情、
そこに僕の置いてきた何かがある。
ずっと蓋をしてきたものだ。

泣くことや怒ることを拒絶された子どもは
(そうするのが一番安全に暮らすためには必要だった)
大人になった時、それがうまく出せない。


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最近、人の涙に触れることがある。

感情をうまく出せない自分と照らし合わせた時に、
「なんと気持ち良さそうなんだろう」と感じ、
反応する自分がいる。

以前は受け入れにくいものでもあったが、
子どもが生まれ、涙や怒りは美しいものではないかと
思うようになった。


https://www.instagram.com/p/BsuqMPkhZW0/


どの感情も美しいものだし
どの感情も自由なんだ。

宮崎駿氏が、大粒の涙を大げさにポロポロ描く意味を
なんとなくわかった気がする。

いつかそんな涙を取り戻せるだろうか。
いつかそんな日が来たら、
きっとすぐさま
「あ、今、僕は泣いているゾ!!」と
嬉しくなって
それを思考してしまうんだろうな。
ああ、いやだなぁ、そんなの。

いやだなぁと思いながらも、
これからどう自分に戻っていくかを
感じながら生きてみたいと思う。


この世界を、
もうどうしようもなくなっているのに、
 やはり肯定したい気持ちにさせられる。
あきらめと希望が同居し、
明るさと悲しみが一緒くたなのに、
 私は明日のことを考えている。
(武満 徹)

 

ふと彼のことばを思い出して、
僕は明日のことを考えている。

できないことは良いこと?悪いこと?

今日は僕が所属するNPO法人ひだまりの丘
3月3日にイベントを開催するのでイベントの告知をしに

ゴジカラ村へ息子と行ってきました。
(僕はイベントに参加できないのだけれど)

gojikaramura.j
<イベントはこちら>

www.kokuchpro.com

 
■できないことは良いこと?悪いこと?

ゴジカラ村には古民家が2つあります。

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初めてお邪魔させてもらってから、
絵を描いてくれる人だと一発で
子どもたちは覚えてくれて、
最近よく顔を出しています。

今日も子どもが15人くらいいたので、
30分お約束して、一緒に絵を描いていました。

帰り際に、
自分たちの名前や顔を覚えて欲しいらしく、
「名前覚えたー?」って頻繁に聞いてきたので、

「ごめん、僕名前覚えるの苦手なんだわ。
 顔は忘れないからね!」

・・・というと、
描いた絵に自分の名前を描いて
渡してくれました。
(自分の家に飾るって言ってたのに。)

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6年前、学童保育所でアルバイトしていた時は、

「子どもの名前を一生懸命覚えるべき」 と
思っていました。

でも当時は無理して覚えていたんですよね。

そうすべきだと。


現在も変わらず苦手です。

本当は無理して覚えていたくないし、
相手に「覚えていますよ、私」で
付き合いたくない。

何より子どもに嘘付きたくないなって思いまして。

子どもは責めてこないんですよね。

「なんでできないんだ?」とか。

むしろ僕の苦手を瞬発で受け止めて、
「自分が名前を描いて渡せば良い」と。
全くできない人に対して
「やってあげた感」がありませんでした。

彼らはそれをしたかったんですね。
それだけ。だから反応が速い。

この一連のやり取りが
自然で素敵だなと思いました。


■できないこと、できることが
あって当たり前の世界に


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彼らはまだそこにちゃんと住んでいて、
(僕もそうだったんですが。きっと)

いつからか僕はそこから旅立ってしまって、
「できないことはできるようにすべき」という
(勝手に感じている抑圧・思い込み)が
あったなぁと振り返れました。


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みんなのできない・できるをOKに
できない人がいる、できる人が現れる
→ 役割が生まれる。(僕はその方が幸せ)

でも、その話をする根っこに、
尊い願い(同じ行き先)がないとね。
結局一緒にいる意味がなくなってしまう。

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できないことをもっと素直に出していけば
もっとしたいこと・できることが輝くかもしれない。
できないことは良いことだと僕は思う。

大人になってから、
誰かにできないことを委ねるのは
すごく勇気がいることだから。

自分を好きになるって
そういうことなのかもしれない。
できない自分を良しとしてあげること。



児童虐待はどの家庭にもリスクがある。子はたからプロジェクト発足について

厚生労働省<速報値>平成29年度

www.orangeribbon.jp


■声なき声がある

居たたまれない事件が連日ニュースで話題となっていますが、
虐待問題は家庭内で起こることが多く

・「見つけにくい・見えづらい」こと

・家族の構造的問題によって生じること
(リスクがいくつも重なるほど起きやすい)

・虐待を受けた当事者は、
 自己防衛的に否認したり隠すことがあります。


声を上げづらい、わかりにくい → 声なき声に

参考:情緒的自立について

blog.livedoor.jp

児童虐待の全貌は本当のところは分からない

厚生労働省の速報値は、こうした声なき声は件数に含まれていませんので
(現時点では検知不可)虐待問題の一部が今やっと見える化してきたというところなのかなと個人的には思っています。実数はもっといるかと。
分からないからこそ、誰もこぼれ落ちないようなセ−フティネットや考え方が必要。特効薬は無いのです。
その証拠に論文や研究成果の文末は「包括的支援が重要」と締めくくられているものが多い。具体的に「これ」というものはないので、誰も正解を見出せない。でもそれで良いいのだ。包括的とは何か。問題そのものの全体を覆うような「優しさ」みたいなもの?支援や政策として考えるのであれば、家庭ごとに方程式が必要。でもオールクリアはできなくて良いと。みんな何かしら問題があったりこじれてる。ありのまま生きられたらそれで良いじゃないか。

誰も殺させはしない。
誰も死なせはしない。
でも刻々と時間はすぎている。
みんなで考えていきたい。


■「子はたからプロジェクト」を発足

 
児童虐待問題に対してある基準に基づいて、なんらかのリスクが認められた場合・緊急性が高いと判断された場合など一時保護や何かしらの支援、法的処置が必要なのは子どもを守る上で勿論のことですが、それが起きないための対策「妊娠・出産・育児のリスクに対して補償していくもの」も合わせて今後議論・展開していかなければなりません。

kowatakara.com


「子はたからプロジェクト」を発足したのはこうした背景に基づいて、4年前から児童虐待について何かできることはないかと模索してつつ、NPOケア・センターやわらぎと共同して今日に至ります。

※江戸の子育て「親が複数いる」という仕組みや文化にヒントがありそうだなと。この話はまた後日。

児童虐待はどの家庭にもリスクがある。

4年前から親子向けの描画や工作などのワークショップを行いながら、プロジェクト開始直後に、PSI(育児ストレス)について研究しました。育児にストレスはどの家庭にもつきものだとして、どのようなものがあるのか、どう醸成されるのかを三重県立看護大学の宮崎つた子先生にご指導してもらいながら「子はたからプロジェクト」の原案を作っていきました。

www.koyoerc.or.jp
■虐待を防止だけではなく、
予防の働きかけを。


育児をする親のストレスやリスクを回避させる、
軽減させる仕組みやサービスを創出し、
同時にそれらを認知する働きかけが必要。


①全対象者へリーチする仕組みが必要

 妊娠期からアプローチすることが重要
(母親・父親、妊娠期から関わるすべての人)
 →「虐待のリスクは全家庭にある」
※ストレスやリスクはあって当然、あって当たり前として考える

②認識の向上と、「きっかけ」が増える仕組みと場所の創出

1) 育児のリスクを軽減させる支援者や
 環境(コミュニティ)を提案・設置する

2) 地域全体で認知・認識をあげる
 当事者の「やってみよう、いってみよう」の
 一歩が出るように。

3)サイレントサインやSOSに気づき、
 問題の早期発見・介入できる地域形態へ
 →いつでも必要な人に、
 必要な情報・場所・支援者が支援を提供できる状態に


■優しくたくましい社会へ

https://www.instagram.com/p/BQq5WbkhpRx/

 

「親」という役割が

子どもを身ごもった日から与えられ
喜ばしくも時には不安を抱えたり、
辛くなってしまうことが
多々あることを僕は知っています。
理想とは全然かけ離れたものになるかもしれません。
子育てどころではない現状・環境で
もういっぱいいっぱいかもしれません。

自立しなければ、
甘えてはいけない、
もう親なのに・・・。


いっぱい甘えていいです。
部屋がグチャグチャでもいい。
ご飯が冷凍でもなんでもいい。


「疲れた、休みたい」
「なんとかしたい!」
「もっと丁寧にしてあげたい」
「辛い」

・・・思った時、感じたことに罪はないです。
感じてしまうんだもの。
それを大事にして、
もっと気楽に吐き出せる人や
場があったらいいなと。
もっと寛容であればいいなって。

「風邪引いた、休んでもいい?」
「いいよー。なんとかなるわ。」

「子育て辛い。誰か代わりに何日か預かって」
「いいよー。その代わりしっかり休みなさいねー。」
(休んでみたけど、休めなかったでもいい。)

こうした関係性があれば、
虐待は起きないのではないかなと。
もっともっとそうした発信がしやすくなればと。

https://www.instagram.com/p/BKnpCpuDIv_/

人口は下り坂。どんどん人が減っていく中で、
もう何が最善か分からない。
分からないからこそ、
「大事な命とその命を育てる人をみんなで支えていく」
という共通認識や美意識が必要だと。

家庭がこじれていたとしても、
いびつだったとしても、丸ごとOK。

足りないところは「お互い様」

親となる人たちがまず満たしていく。

親という役割は持ちつつも、
自分の感情や気持ちそのものを
もっと大切にしていけるように。
そうすれば子どもの気持ちに気づけるはずだから。

 

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「もっと健やかに、もっと豊かに、
もっと優しくそしてもっと
たくましく」


できること、できる範囲で
親や家族、みなさんのご協力も得ながら、
子はたからプロジェクトを推進してまいります。

いつかはこの活動が不要になるその日まで。

https://www.instagram.com/p/BIkyQT9DICI/



僕について

特定非営利活動法人ひだまりの丘 理事

現在30歳、1児の父(4歳)山羊座、O型

三重県四日市市出身
・小学〜高校まで野球三昧(6~18歳)
中京大学総合政策学部で国際マネジメントを専攻(19~22歳)
・専門商社へ入社。11ヶ月で退社
・半年間山登りと読書に明け暮れる
・アパレルメーカーへ転職(23~24歳)

→1年半で退社
Startup Weekend Nagoyaに参加
・アルバイトを複数掛け持ちしながらイラストレーターとして活動開始(結婚)
(有限会社セルビスにてwordpressにてHPの管理と運営兼任)
・中川創作絵本教室 中川たか子を師事
・名古屋デザイナー学院 非常勤講師就任(2019.3月辞任)
・東海若手起業塾(8期)エントリー(25歳〜26歳)
→終了後、特定非営利活動法人ケア・センターやわらぎ 石川治江氏と「子はたからプロジェクト発足」
NPOひだまりの丘 教育支援部門にて児童養護施設の学習支援部門責任者へ(28歳〜)
NPOひだまりの丘 理事就任

基本的なスタンスは、生き方そのものが作品になるように。
「面白いか、美しいか、尊いか」を物差しにして生きていけるように心がけています。
絵本(物語)や事業・活動(理念)などは、
すべて思考や意識が具現化された作品だと思っています。
自分より長生きするものを作っていきたいなと心がけています。
人間の通底してある「願い」「希望」みたいなものを物語や
ワークショップを通じて世界に優しい風を吹かせたい。
幼少期に「生きてることって面白い」と心に染み込んでいくような
自分の人生よりも長く残るもの・コトを作っていきたいです。

下記情報をまとめています。(2019.2.18現在)
 
◇公式HP(イラストや仕事関係)
◇web magazine
https://otonamie.jp/?p=45747
NPO法人ひだまりの丘 
https://hidamari-oka.org/main/
◇東海若手起業塾8期(のちに子はたからプロジェクト発足)
◇子はたからプロジェクト
http://kowatakara.com/
◇中川創作えほん教室
http://nakagawa.co/