"なるかわしんごの作業部屋"

なるかわしんご

子どものことやえほんのことについて、感じたり思ったことを書いています。

児童虐待はどの家庭にもリスクがある。子はたからプロジェクト発足について

厚生労働省<速報値>平成29年度

www.orangeribbon.jp


■声なき声がある

居たたまれない事件が連日ニュースで話題となっていますが、
虐待問題は家庭内で起こることが多く

・「見つけにくい・見えづらい」こと

・家族の構造的問題によって生じること
(リスクがいくつも重なるほど起きやすい)

・虐待を受けた当事者は、
 自己防衛的に否認したり隠すことがあります。


声を上げづらい、わかりにくい → 声なき声に

参考:情緒的自立について

blog.livedoor.jp

児童虐待の全貌は本当のところは分からない

厚生労働省の速報値は、こうした声なき声は件数に含まれていませんので
(現時点では検知不可)虐待問題の一部が今やっと見える化してきたというところなのかなと個人的には思っています。実数はもっといるかと。
分からないからこそ、誰もこぼれ落ちないようなセ−フティネットや考え方が必要。特効薬は無いのです。
その証拠に論文や研究成果の文末は「包括的支援が重要」と締めくくられているものが多い。具体的に「これ」というものはないので、誰も正解を見出せない。でもそれで良いいのだ。包括的とは何か。問題そのものの全体を覆うような「優しさ」みたいなもの?支援や政策として考えるのであれば、家庭ごとに方程式が必要。でもオールクリアはできなくて良いと。みんな何かしら問題があったりこじれてる。ありのまま生きられたらそれで良いじゃないか。

誰も殺させはしない。
誰も死なせはしない。
でも刻々と時間はすぎている。
みんなで考えていきたい。


■「子はたからプロジェクト」を発足

 
児童虐待問題に対してある基準に基づいて、なんらかのリスクが認められた場合・緊急性が高いと判断された場合など一時保護や何かしらの支援、法的処置が必要なのは子どもを守る上で勿論のことですが、それが起きないための対策「妊娠・出産・育児のリスクに対して補償していくもの」も合わせて今後議論・展開していかなければなりません。

kowatakara.com


「子はたからプロジェクト」を発足したのはこうした背景に基づいて、4年前から児童虐待について何かできることはないかと模索してつつ、NPOケア・センターやわらぎと共同して今日に至ります。

※江戸の子育て「親が複数いる」という仕組みや文化にヒントがありそうだなと。この話はまた後日。

児童虐待はどの家庭にもリスクがある。

4年前から親子向けの描画や工作などのワークショップを行いながら、プロジェクト開始直後に、PSI(育児ストレス)について研究しました。育児にストレスはどの家庭にもつきものだとして、どのようなものがあるのか、どう醸成されるのかを三重県立看護大学の宮崎つた子先生にご指導してもらいながら「子はたからプロジェクト」の原案を作っていきました。

www.koyoerc.or.jp
■虐待を防止だけではなく、
予防の働きかけを。


育児をする親のストレスやリスクを回避させる、
軽減させる仕組みやサービスを創出し、
同時にそれらを認知する働きかけが必要。


①全対象者へリーチする仕組みが必要

 妊娠期からアプローチすることが重要
(母親・父親、妊娠期から関わるすべての人)
 →「虐待のリスクは全家庭にある」
※ストレスやリスクはあって当然、あって当たり前として考える

②認識の向上と、「きっかけ」が増える仕組みと場所の創出

1) 育児のリスクを軽減させる支援者や
 環境(コミュニティ)を提案・設置する

2) 地域全体で認知・認識をあげる
 当事者の「やってみよう、いってみよう」の
 一歩が出るように。

3)サイレントサインやSOSに気づき、
 問題の早期発見・介入できる地域形態へ
 →いつでも必要な人に、
 必要な情報・場所・支援者が支援を提供できる状態に


■優しくたくましい社会へ

https://www.instagram.com/p/BQq5WbkhpRx/

 

「親」という役割が

子どもを身ごもった日から与えられ
喜ばしくも時には不安を抱えたり、
辛くなってしまうことが
多々あることを僕は知っています。
理想とは全然かけ離れたものになるかもしれません。
子育てどころではない現状・環境で
もういっぱいいっぱいかもしれません。

自立しなければ、
甘えてはいけない、
もう親なのに・・・。


いっぱい甘えていいです。
部屋がグチャグチャでもいい。
ご飯が冷凍でもなんでもいい。


「疲れた、休みたい」
「なんとかしたい!」
「もっと丁寧にしてあげたい」
「辛い」

・・・思った時、感じたことに罪はないです。
感じてしまうんだもの。
それを大事にして、
もっと気楽に吐き出せる人や
場があったらいいなと。
もっと寛容であればいいなって。

「風邪引いた、休んでもいい?」
「いいよー。なんとかなるわ。」

「子育て辛い。誰か代わりに何日か預かって」
「いいよー。その代わりしっかり休みなさいねー。」
(休んでみたけど、休めなかったでもいい。)

こうした関係性があれば、
虐待は起きないのではないかなと。
もっともっとそうした発信がしやすくなればと。

https://www.instagram.com/p/BKnpCpuDIv_/

人口は下り坂。どんどん人が減っていく中で、
もう何が最善か分からない。
分からないからこそ、
「大事な命とその命を育てる人をみんなで支えていく」
という共通認識や美意識が必要だと。

家庭がこじれていたとしても、
いびつだったとしても、丸ごとOK。

足りないところは「お互い様」

親となる人たちがまず満たしていく。

親という役割は持ちつつも、
自分の感情や気持ちそのものを
もっと大切にしていけるように。
そうすれば子どもの気持ちに気づけるはずだから。

 

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「もっと健やかに、もっと豊かに、
もっと優しくそしてもっと
たくましく」


できること、できる範囲で
親や家族、みなさんのご協力も得ながら、
子はたからプロジェクトを推進してまいります。

いつかはこの活動が不要になるその日まで。

https://www.instagram.com/p/BIkyQT9DICI/



僕について

特定非営利活動法人ひだまりの丘 理事

現在30歳、1児の父(4歳)山羊座、O型

三重県四日市市出身
・小学〜高校まで野球三昧(6~18歳)
中京大学総合政策学部で国際マネジメントを専攻(19~22歳)
・専門商社へ入社。11ヶ月で退社
・半年間山登りと読書に明け暮れる
・アパレルメーカーへ転職(23~24歳)

→1年半で退社
Startup Weekend Nagoyaに参加
・アルバイトを複数掛け持ちしながらイラストレーターとして活動開始(結婚)
(有限会社セルビスにてwordpressにてHPの管理と運営兼任)
・中川創作絵本教室 中川たか子を師事
・名古屋デザイナー学院 非常勤講師就任(2019.3月辞任)
・東海若手起業塾(8期)エントリー(25歳〜26歳)
→終了後、特定非営利活動法人ケア・センターやわらぎ 石川治江氏と「子はたからプロジェクト発足」
NPOひだまりの丘 教育支援部門にて児童養護施設の学習支援部門責任者へ(28歳〜)
NPOひだまりの丘 理事就任

基本的なスタンスは、生き方そのものが作品になるように。
「面白いか、美しいか、尊いか」を物差しにして生きていけるように心がけています。
絵本(物語)や事業・活動(理念)などは、
すべて思考や意識が具現化された作品だと思っています。
自分より長生きするものを作っていきたいなと心がけています。
人間の通底してある「願い」「希望」みたいなものを物語や
ワークショップを通じて世界に優しい風を吹かせたい。
幼少期に「生きてることって面白い」と心に染み込んでいくような
自分の人生よりも長く残るもの・コトを作っていきたいです。

下記情報をまとめています。(2019.2.18現在)
 
◇公式HP(イラストや仕事関係)
◇web magazine
https://otonamie.jp/?p=45747
NPO法人ひだまりの丘 
https://hidamari-oka.org/main/
◇東海若手起業塾8期(のちに子はたからプロジェクト発足)
◇子はたからプロジェクト
http://kowatakara.com/
◇中川創作えほん教室
http://nakagawa.co/